平成29年度一級建築士学科試験を解いて分析してみたよ『法規編』

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本日は平成29年度一級建築士学科試験『法規』の問題を実際に解いて分析致しましたので、ご参考にされて下さい。

法規は一級建築士学科試験合格の為に一番重要な科目となります。

今年学科試験不合格になった受験生の皆様は来年こそは法規の勉強を中心に合格を勝ち取って下さい。 

法規の理想の点数は25点です。

一級建築士学科合格したければ、法規に高得点を望まない!

25点以上でも以下でもありません。25点を目指すのです! 

今年の法規は去年に比べて過去問出題率が大幅に上がった為、近年で一番簡単な試験でした。

出題傾向としては平成26年度に似て過去問中心の問題構成になっています。 

ビリケツ君の法規の点数を発表致します!点数は30 

今年は近年稀な過去問重視の簡単な試験でした。

30問すべて過去問から答えが導き出せました。

去年の法規は近年で一番難しかったので、今年は例年に比べて簡単であろうとは思っていましたが、これほど簡単だとは想像していませんでした。

法規が苦手な受験生にとってはラッキーな年でした。 

今年の法規のレベルであれば最低25点は得点してほしかったです。

不合格の受験生で法規科目が25点得点出来なかった方は、勉強方法をもう一度一緒に見直しましょう。 

一級建築士学科試験『法規』を解いている時の心の声を聞いて下さい! 

  • 過去問H18と記載があるのは、平成18年度の学科試験に出題されたという事です。また過去問の定義は平成13年以降という意味です。 
  • 消去と記載があるのは、消去法で解答を導き出せるという意味です。  
法規 僕の

解答

資格学校の

解答

正答 過去問
1 2 2 H18
2 1 1 H17
3 3 3 H16
4 3 3 H25
5 4 4 H23
6 4 4 H22
7 2 2 H24
8 3 3 H19
9 3 3 H18
10 1 1 H18
11 2 2 H26
12 1 1 2級
13 3 3 消去
14 4 4 H14
15 2 2 H19
16 3 3 H23
17 3 3 H13/H27
18 1 1 H22
19 1 1 H17
20 2 2 H20
21 3 3 H19
22 4 4 H22
23 4 4 H19
24 4 4 H17
25 3 3 H14
26 4 4 H21
27 2 2 H23
28 1 1 H23
29 1 1 H23
30 2 2 H21



 1の問題は過去問対応問題です。

平成18年度に特定防火設備に関する問題が出題されています。加熱開始後45分間ではなく1時間ですね。 

2の問題は過去問対応問題です。

平成17年度に容積率の算定に関する問題が出題されています。計画道路に係る部分の面積は敷地面積又は敷地の部分の面積に算入してはいけません。 

3の問題は過去問対応問題です。

平成16年度に鉄道事業者の問題が出題されています。鉄道のプラットフォームの上家は建築物ではないので確認済証の交付は必要ありません。 

4の問題は過去問対応問題です。

平成25年度に確認済証の軽微な変更の問題が出題されています。軽微の変更等建築基準関係規定に適合することが明らかなものは改めて、確認済証の交付を受ける必要はありません。 

5の問題は過去問対応問題です。

平成23年度に集会場における階段の手すりについての問題が出題されています。3mを超えていませんので、中間に手すりは設けなくても良いと思います。 

6の問題は過去問対応問題です。

平成22年度に防火区画検証法の問題が出題されています。問題の構成は違いますが、防火区画検証法に辿り着けると思います。

『屋内及び建築物の周囲において発生が予想される火災による火熱が加えられた場合』と出題されていますが、法令集には『建築物の周囲』は記載されていません。 

7の問題は過去問対応問題です。

平成24年度に自動車修理工場の内装制限の問題が出題されています。

自動車修理工場の壁及び天井の室内仕上げは準不燃材料としなければいけないと思います。 

8の問題は過去問対応問題です。

平成19年度に物品販売業を営む店舗の2以上の直通階段に関する問題が出題されています。

物品販売業を営む店舗で2階における売場の床面積の合計が400㎡を超えると2以上の直通階段が必要になると思います。

建築基準法施行令第121条六項ロに記載されています。

9の問題は過去問対応問題です。

平成18年度に地上に通ずる直通階段の問題が出題されています。過去問は事務所です。

15階建ての共同住宅を考慮すると地上に通ずる直通階段のその一に至る歩行距離を50mが最長だと思います。 

10の問題は過去問対応問題です。

平成18年度に住戸の建築設備に関する問題が出題されています。床面積12㎡の調理室に1.2㎡の有効開口面積を有する窓を設けたので、換気設備は設けなくていいと思います。

1/10を確保出来ているため。 

11の問題は過去問対応問題です。

平成26年度に保有水平耐力・層間変形角の問題が出題されています。保有水平耐力が必要保有水平耐力以上である事を確かめても、層間変形角を確かめなくて良いとの記述は法令集にないです。建築基準法施行令82条をみて下さい。 

12の問題は2級建築士の問題です。

1級建築士学科試験では珍しい出題となりました。

建築基準法施行令第46条に詳しい数値が書いています。

屋根が金属板である事をチェック→張間・桁行の相互の柱の間隔が10m以下→(2)に辿りつく→階数が21階であるから29の数値を拾える→床面積80㎡×292320cmとなる。

見付面積に乗ずる数値は50だと思います。

どう?久し振りに解いたので合っていますかね() 

13の問題は過去問対応問題です。

3の問題は初出題だと思いますので、消去法で解いても良いですし、高力ボルトの許容応力度・材料強度を調べても良いです。計算の結果2/3ではなく、3/2だと思います。

1は平成25年度・枝4は平成16年度に出題されています。枝2は平成18年度に構造の問題で出題されています。 

14の問題は過去問対応問題です。

平成14年度に道路の地盤面下に関する問題が出題されています。地盤面下に建築物を設ける場合は特定行政庁の許可を受ける必要はないと思います。 

15の問題は過去問対応問題です。

平成19年度に用途地域『第二種低層住居専用地域(保健所)』の問題が出題されています。

法別表2に記載されていない為、保健所の建設は第二種低層住居専用地域には出来ないと思います。 

16の問題は過去問対応問題です。

平成23年度に建蔽率の限度の緩和に関する問題が出題されています。防火地域内で耐火建築物であれば緩和の対象になると思います。

準防火地域では緩和の適用はないと思います。 

17の問題は過去問対応問題です。

平成13年度・平成27年度に出題された建築物の高さの最高限度に関する融合問題です。2Aかつ35A・商業地域1.5がわかれば解けたと思います。

15m(2面道路)+(A点から)5+3m+3m=26m

26m×1.5(商業地域)=39m

設計製図試験では斜線制限一発ランク4なので気を付けて下さいね。 

18の問題は過去問対応問題です。

平成22年度に防火地域・準防火地域の問題が図も含めて出題されています。100㎡を超えていますので、耐火建築物にしないといけないと思います 

19の問題は過去問対応問題です。

平成17年度に建築協定に関する問題が出題されています。地区計画において定められた場合にあっても、建築協定は廃止されたものとはみなされないと思います。 

20の問題は過去問対応問題です。

平成20年度に一団地内の規定の適用に関する問題が出題されています。用途地域の規定の適用は含まれていないため、一団地を一の敷地とみなすことはできないと思います。 

関係法令 

21の問題は過去問対応問題です。

平成19年度にオーデイトリアムに関する問題が出題されています。

オーデイトリアムは500㎡を超えていない為、二級建築士でも設計・工事監理が出来ると思います。 

22の問題は過去問対応問題です。

平成22年度に設計図書の記名及び押印に関する問題が出題されています。建築士が設計を行った場合は本人が記名及び押印をしなければいけないと思います。

管理建築士は当事者でないので関係ありません。 

23の問題は過去問対応問題です。

平成19年度に建築士事務所の開設者に関する問題が出題されています。

建築士事務所に属する建築士の氏名に変更があった時は2週間以内に所在地を管轄する都道府県知事に届けないといけないと思います。 

24の問題は過去問対応問題です。

平成17年度に都市計画法に基づいた地区計画の区域に関しての問題が出題されています。

過去問では建築するものとありますが、今年の問題は仮設として問題が出題されています。仮設は届け出が必要ないと思います。 

25の問題は過去問対応問題です。

平成14年度に特定防火対象物に関しての問題が出題されています。小学校は『特定防火対象物』ではありませんね。

消防法第17条の25と令34条の4を参考にして下さい。 

26の問題は過去問対応問題です。

平成21年度に高齢者・障がい者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に関する問題が出題されています。

ホテル・旅館の総数が50以上の場合は車いす使用者が円滑に利用できる客室を1以上設けなければならないと思います。

移動等の令第15条を参考にして下さい。 

27の問題は過去問対応問題です。

平成23年度に分別解体についての問題が出題されています。

特定建設資材を使用する建築物の床面積が200㎡の増築工事の為分別解体の必要はないと思います。

解体は80㎡・新築増築は500㎡。 

28の問題は過去問対応問題です。

平成23年度に一級建築士の業務停止・懲戒処分に関する問題が出題されています。

常識的に考えて枝イ・ロ・ニは懲戒処分されるとわかると思います。

枝『ハ』は少し悩むと思いますが、過去問で対応出来ると思います。 

29の問題は過去問対応問題です。

平成23年度に宅地造成等規制法に関しての問題が出題されています。

土をする土地の面積が500㎡を超える・高さが2mを超えると都道府県知事の許可を受けないといけないと思います。

設問は面積が500㎡で高さが2mなので、許可は必要ないと思います。 

30の問題は過去問対応問題です。

平成21年度に建築士法の罰則に関しての問題が出題されています。

一級建築士でなければ行ってはならない建築物の設計・工事監理を行った工事施工者も当然罰則の適用の対象になります。 

平成29年度一級建築士学科試験法規総評

今年の法規は去年よりも新規問題が5問減りました。 

  • •平成26年度法規 過去問出題数30
  • 平成27年度法規 過去問出題数28
  • 平成28年度法規 過去問出題数25
  • 平成29年度法規 過去問出題数30 

今年の法規科目は近年で一番簡単だった為、法規が苦手な受験生にとっては非常にラッキーな年でした。

また来年より新規問題が増え受験生を困らせると思いますが、法規は25点を目指して勉強すれば合格に大きく近づけます。 

逆に法規で25点以下の得点しか獲得出来ないようであれば、一級建築士合格が遠のきます。

惜しくも今年一級建築士学科試験に不合格だった受験生は年内までに法規の勉強を完璧にして来年の一級建築士学科試験に臨んで下さい。 

応援しています。 

最後にもう一度言いますね。

平成29年度一級建築士学科試験の法規は近年で一番簡単な試験でした。 

信じるか信じないかはあなた次第です!

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コメント

  1. 中村 より:

    法規の勉強の仕方がわかりません。
    というか、引きかたのコツなどあれば
    教えていただけると嬉しいです。

  2. ビリケツくん より:

    コメント欄では書ききれないので、問い合わせからご連絡下さいませ。
    よろしくお願い致します。
    一言で言えば法規のコツは法令集を引かない事です。

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