最近問い合わせで今年は基準階型だと思いますか?との質問が来ます。
『大手資格学校の説明会で今年は基準階型の可能性大だから今のうちに対策した方が良いよ』と言われた受験生もいるそうです。
本日は基準階型を長期製図で勉強する意味が無いと思っている僕の個人的意見を書いていきます。
長期製図で基準階型を勉強するメリットってありますか?僕は時間の無駄だと思うよ。
僕は今の時期から基準階型を勉強する意味って全くないと思っています。
これは実体験と勉強会で出会った受験生の声を参考に説明していきたいと思います。
平成31年度一級建築士製図試験の課題は『基準階型』って本当!?
受験生から『基準階型の対策で今からどんな勉強をやれば良いですか?』と質問を頂くのですが、毎回同じ返信をしています。
『基準階型の勉強はデメリットしかないのでやらなくて良いよ』です。
基準階型の勉強は中途半端に2~6課題位やっても何もメリットはありません。
逆に苦手意識を持つだけなのでやらない方が良いと思います。
長期製図講座に通うと前半 低層階の課題→中盤 基準階の課題→後半 低層階の課題であれば、前半戦でせっかくエスキスがわかって来た所で中盤の基準階でボロボロになる受験生が多いと思います。
そして基準階が嫌いというパターンが非常に多いと思います。
僕もその一人です。自信を無くしただけです(涙)
基準階型を解く上で大事な2つのポイント
- 住居系とホテル系の優先順位を覚える
- 基本となる形を8~10パターン覚える
この2点を意識して勉強すれば基準階型のエスキスはそれほど難しくありません。
住居系とホテル系で求められる優先順位が大きく違います 。
- 住居系であれば日照≧景観
- ホテル系であれば景観≧日照
優先順位がわかった所で、基本となる形を8~10パターン覚えます。
この基礎勉強が終わって始めてスタートラインに立てるのです。
基準階型のエスキスの手順
5階建 最大床面積5000㎡
- 基準階を綺麗な整形な形で最小の床面積でエスキスする
※階段・EVは適当に配置する。1階2階のプランに合わせて変更する為 - 基準階900㎡であれば3階・4階・5階の3階分の面積の合計を出す。
- 900㎡×3階分=2700㎡
- 最大床面積5000㎡-基準階3階分2700㎡=2300㎡
- 基準階のエスキスは終了
※基準階のエスキスと1階2階のエスキスは分けて考える
- 2300㎡を1階2階に振り分ける
※低層階のエスキスをするが、基準階のEV・階段を考慮し、不整合に気を付ける。 - 完成
基準階型は二つのパートから構成されている
基準階型は基準階と1階2階で構成されています。
エスキスの考えは全くの別物だと思います。
- 基準階は8~10パターンを覚える。ある程度暗記で対応。
- 1階2階は個々のエスキス力で対応。暗記での対応ではない。
一生懸命基準階型を勉強しても今年度の課題が低層階型であれば、せっかく得た知識が無駄になってしまいます。
しかし低層階型の勉強は、基準階型を解く上でも重要な知識が得られますので、全く無駄になりません。
低層階型を勉強してエスキスの基礎力があれば後は基準階のパターンを勉強すれば、そんなにエスキスに悩まないのではないでしょうか?
その為僕は基準階型の勉強はしなくて良いと考えています。
基準階型の課題が製図初年度生に有利と言われている理由
平成28年度の子育て支援施設の課題は3階建てでした。
低層階型の3階建ての課題であれば3階分のエスキスを同時並行で考えないといけません。
それに比べて基準階型であれば基準階と1階2階を分けて考えられる+基準階は暗記である程度対応出来る為、一般的には製図初年度と製図過年度生の差が出ない課題だと言われています。
基準階型だと2か月もあれば製図初年度生が追いついて来ますからね。
長期製図講座の講師はみんな低層階型を願っていると思います。
一口メモ
僕は総合資格学院の長期製図講座に一度だけ通った事があります。
僕が通った年は低層階型がメインで課題が構成されていました。
前年は基準階型の課題が多かったみたいです。
カリキュラムの内容は毎年少しずつ変わっていると思います。
今年はどちらの課題が多く出題されるかはわかりませんが、学校が今年の本試験課題は基準階型だと予想しているのであれば基準階型の課題が多くなると思います。
まとめ
基準階型の課題を一生懸命勉強する事も大事だと思いますが、その前にしっかりと低層階型でエスキスの基礎力をUPさせて下さい。
その基礎力が受験生の皆様を合格へ導くと思います。
努力と基礎力は裏切らない!!