ビリケツ君は福岡に住んでいる為、この数日間全国にいる友人からゲリラ豪雨を心配するお電話を一杯頂きました。皆様ご心配有難うございます。
本日お話する事は一級建築士試験に全く関係のない為、興味がない方は飛ばして下さい。
一級建築士ビリケツ君が今回の災害について思う事!
平成29年7月8日、今日も朝からニュースで福岡県朝倉市・大分県日田市の九州北部豪雨のニュースをやっていました。
ビリケツ君はテレビを観ていて少し違和感を覚えました。
それは各番組とも防災の専門家が出演していたのですが、少しテンション高めに嬉しそうな表情で発言されていた事です。
防災の専門家ってあんまり表舞台に出る事がないので、自分の理論等を披露出来る機会があり無意識に嬉しい気持ちが顔に出ていたのではないかと思います。
普段誰も聞いてくれない話を、みんなが一生懸命聞いてくれる事って滅多にないですからね。
もちろん出演されている防災専門家の誰もが災害は望んでいないと思います。
またレポーターも北九州等地方の方が多く、テレビ慣れしてなさ過ぎてちょっとテンション高くて普通の事を大げさに言い過ぎではないか?と思いました。
皆様はどう思いましたか?
建築に携わる私たちに責任は無いのか!?
災害が起こるたびに思うのですが、建築関係に携わる私たちに責任は無いのでしょうか?
私たち建築に携わる専門家の立場で言わせて頂ければ、今回災害が発生している地域に人が住んでも良いのでしょうか?
建築士や不動産関係者って基本災害が起こる地域に住んでいないと思います。
建築関係に携わっている方であれば、自分の家を建築する時に、山の近く・川の近くは避けますよね。
特に地盤が弱い地域(埋立地)は敬遠すると思います。
そういう地域に私たちは、自分では住まないけどお客様には勧めていますよね。
土地や建物をご紹介する時に山の近くであれば『景色が良いのでお勧めですよ』と言い、
川の近くであれば『夏は水辺が近くにあると風が通り涼しいですよ。また目の前に建物がない為景観が良いですよ』なんて勧めていませんか?
災害が起こるたびに自問自答してしまいます。私たちに責任はないのかと。
ハザードマップの裏の顔
皆様はハザードマップって聞いた事がありますか?ハザードマップってあんまり広まりませんよね。
地盤や災害予想が出来て一見便利で良さそうな反面、不動産の価値が暴落したり、不動産が売れなくなる能性があるため、故意に浸透させないようにしているのではないか?とも言われています。
実際僕の友人の話ですが、ハザードマップが地域に無料で配布された事で土地の価格が3割近く下落してその地域で大問題になったらしいです。
しかも急に不安になって体調を崩す方もいたそうです。
僕も住宅の検査にいく事があるのですが、施主の方に建築基準法違反を報告した際には『昨日まで大丈夫だったのに、急に不安になってきた。検査なんて頼まなければ良かった』と言われる事が多々あります。
病は気からと言いますからね。
地域の現状を知らない方が幸せなのか、ハザードマップで地域の現状を知って不安になる方が幸せなのかどちらが良いのでしょうかね。
皆様はどう思いますか?
土砂災害の最大の要因!山林の手入れを怠った人災なのか!?
土砂災害がある度に、山林が適切に管理されていないのが原因だと言われます。
山林は適度に間伐する事で山林内には光が差し込み、草や木が育ち、幹が太く育った木が多くなる事で災害に強い山林が出来上がります。
本来は定期的・計画的に間伐をしないといけないのですが、経済的理由から間伐を行わない山林が全国にたくさんあります。
僕の親戚が大規模な山林を所有しています。
皆様山林の価値ってご存知ですか?資産価値なんてないに等しいですよ。
むしろマイナスです。
木材を売ろうと思っても誰も高くて買ってくれないのですよ。タダでも売れない現実をご存知ですか?
木材を切り出す人件費・運搬する運搬費等を考慮するとマイナスになるんですよ。
その為、本来山林の手入れ(間引き)をして木にとって最適な環境を整備しないといけないのですが、現状はどこの山林所有者も基本放置しています。
山を管理するって莫大なお金が必要になるんですよね。
外国産の木材輸入禁止にするしか策はない!
建築業界に携わっている方は知っていると思いますが、国産の木材って高いですよね。現場では安価な外国産の木材が人気の為多くの現場で外国産の木材が使用されています。
その為、日本国内では国産の木材の行き場がないんですよね。土砂災害に対して税金を投入する事も良いですが、山林の整備に目を向けてみてはいかがでしょうか?
九州北部豪雨で考える河川改修工事の費用対効果
『福岡市で3000億の治水工事をやります』というと県や国からの補助金が出ると思います。
しかし『人口300人の村で3000億の治水工事やります』というと果たして予算は出るのでしょうか?
答えはNoです。絶対に出ないと思います。
九州北部豪雨は今回が初めてではありません。
昭和28年の西日本水害、近年では平成24年度の九州北部豪雨が記憶に残っていると思いますが、教訓が全く生かされていません。
福岡県南部地方は都心から離れている為、災害整備に対する費用対効果が低いと思われているのかも知れません。
僕は防災の専門家ではありませんが、何も対策しなければ間違いなく10年以内にまた同じ状況になるのではないでしょうか?
- 地域を再整備して人が住める状態にする
- 立ち入り禁止区域に指定する
- そのままの状態をキープする
どうする事が一番良いのでしょうか?
そのままの状態をキープして10年度また同じ災害が起こった時には誰がどう責任を取るのでしょうか?
平成24年度に起こった教訓は今回にどう生かされたのでしょうか?
信長の野望で知った治水工事!
僕が小学生の頃、信長の野望で治水工事を知りました。
今では河川改修工事ともいうのでしょうか?昔の人にとって治水工事は大変重要な工事だったと思います。
降雨時に氾濫しないように河川を築堤したりして人々の生活を守っていたのだと思います。
僕の好きな漫画の中でも治水工事が描かれていました。『覇王伝説 驍』知っていますか?
皆様はどう思いますか?
公務員(役所)が災害対策の指揮を執る事は無理!
いつも災害が発生する度に思う事があります。
それは公務員の皆様には申し訳ないですが災害対策の指揮は無理だという事です。基本公務員の人って民間の人に比べて仕事がテキパキ出来る人少ないですよね。
だから公務員の方に災害時の指揮を執らせる事って酷じゃないですか!?
今回もテレビのインタビューで『想定外でした。予想もつきませんでした』と言っていましたけど、恥ずかしくないんですかね。
民間の仕事で想定外でした=倒産だったり・首ですよ。
災害の指揮を執る事が、自分の許容範囲を超えていて、無理だったら無理って言ってくれないと、住民は困りませんか?
やっぱり災害時には自衛隊・消防・警察どこでも良いのですが、全指揮権を渡して、指揮を執ってほしいと思います。
そうすれば助かる命も、もっと増えるのではないでしょうか?
検証が必要じゃないですか?
今回の災害を含め、日本人はもっと検証した方が良いと思うのは僕だけでしょうか?
一生懸命やってくれたからではなく、なぜ?そういう結果になったのか?どうすれば未然に防げたのか?担当者の判断は適正だったのか?ちゃんと検証するべきではないでしょうか?
皆様はどう思いますか?